トラにまつわるエトセトラ その2

京都のトラ情報をひとつ。

こちらも宿からそう遠くなかったので、ふらりと出かけた南禅寺。
虎の襖絵で有名だったのですね!知りませんでした。

正月が終わった後は観光客もまばらで3方向を虎の襖絵で囲まれた「虎の間」をひとりでじっくり鑑賞することができました。
17世紀、狩野探幽の筆と伝えられています。
残念ながら写真撮影は禁止でしたので、パンフレットとリンクでご紹介。南禅寺パンフレットより「水呑みの虎」

そしてなぜかフィラデルフィア美術館がデータベース化していてくれております。
ぜひご覧ください。
>群虎図
キンキラキンの襖に竹林、その中を虎たちが楽しそうに跳ね回っていますね。
いやちょっと待って、虎じゃないのがいますよ?
狩野さん、それは豹です!
どうやら17世紀当時の日本で、虎より一回り小さい豹は虎のメスと考えられていたようです。
鎖国中で海外の情報はなかなか入りにくかった中、美しい縞の毛皮、そしてするどい牙と爪を持つ虎も奇想天外な幻獣のひとつだったのかもしれません。
龍と並び称されているくらいですしね。

開国後、江戸時代が終わろうとする10年程度の間に
ヒョウ、トラ、ラクダ、ゾウ、ライオンが次々渡来し江戸庶民の見世物となりました。
当時の人々の驚きようったらなかったでしょうね!

南禅寺の方丈庭園も俗に「虎の児渡し」と呼ばれています。
こちらは抽象表現。私には岩が虎には見えませんが、、、これまた飽くほどにひとり占めすることができました。

巨石(=母虎)は画面の左に半分見切れております。
15分前には雪が降っていました。京都は天気が変わりやすい?

参考
どうぶつのくに Vol.117
描かれた動物・植物 江戸時代の博物誌

トラにまつわるエトセトラ その1

 

澁澤龍彦著、高丘親王航海記では「トラ」が最後に重要な役目を果たします。
先日のダンス公演でも一体トラはどのような登場・演出をされるのかと思っていましたら、チラシの段階で以下の様に記載がありました。

ベンガルトラ造形

[監修]椿昇
[製作指導] 岡田啓伸
[製作]京都造形芸術大学プロジェクトセンター

「ベンガルトラ造形」・・・いったいどんな造形なのかトラとの対面の日をとても楽しみにしておりました。

その雄姿は公演をご覧になった方々はご存じですね!

公演が無事に終了いたしましたので、今回舞台裏のベンガルトラさんをご紹介いたします。

なんだかかわいい正面
またまたかわいい右顔
目力がキリリとした左顔

一体どうやって3次元化し針金で格子状骨格を作るのでしょうね?
実に素晴らしい造形です。

ちなみに京都公演の際に宿近くの「粟田神社」に参拝しましたが
そちらのポスターによれば京都造形芸術大学の協力により
長らく行われていなかった「大燈呂」が復活したそうです。
ねぷたの原型とも言われるお祭りだとか。

↓京都造形芸術大学HPに詳細が載っていました。
粟田祭に色鮮やかな「大燈呂」が登場! ―粟田大燈呂プロジェクト
edited by
京都造形芸術大学 広報室

粟田神社パンフレットより

 

次回出演のお知らせ

早くも稽古がスタートしております。
国立劇場は日本で一番大きいそうな!?

国立劇場5月特別企画公演
神々の残照-伝統と創造のあわいに舞う-

こちらの企画は【日本舞踊】【インド古典舞踊】【トルコ舞踊】【コンテンポラリーダンス】の4本立て企画です。

【コンテンポラリーダンス】
構成・振付・演出=笠井叡

マーラー作曲〈交響曲第五番〉と群読による
古事記祝典舞踊
いのちの海の声が聴こえる (新作初演)
テキスト=古事記~大八島国の生成と冥界降り~

国立劇場
2019年5月25日(土)
午後2時30分開演(午後5時15分終演予定)

●電話・インターネット予約開始=
2月11日(月・祝)午前10時~

●窓口販売開始=
2月12日(火)(営業時間 午前10時~午後6時)
詳細はこちらをクリック

高丘親王航海記、無事終了!

楽日終了後にパチリ。
七福神的なおめでたさです。

以下記録として

笠井叡 迷宮ダンス公演「高丘親王航海記」

京都公演:ロームシアター京都サウスホール
開演日時:2019年1月11日(金)19:00/12日(土)15:00
チケット:一般前売 4000円, ユース(25歳以下) 3000円
詳細→  http://takaokashinnoukoukaiki.com/kyoto

東京公演:世田谷パブリックシアター
開演日時:2019年1月24日(木)19:30/25日(金)19:30/26日(土)15:00/27日(日)15:00
チケット:一般前売 A席5000円, B席4000円 (当日は各500円増し)
詳細→  http://takaokashinnoukoukaiki.com/tokyo

EPSON MFP image
EPSON MFP image

 

 

 

高丘親王航海記 本日より!

いよいよ本日より東京公演がはじまります。
公演情報→https://setagaya-pt.jp/performances/20190124kasaiakira.html
三軒茶屋、世田谷パブリックシアターへおでかけくださいませ。

世田谷パブリックシアターはキャロットタワーの3階にあります。

今回キャロットタワーを冒険したところ26階に展望ロビーを発見。なかなかの眺めです。
9:30~23:00まで無料開放されていますよ。

以下、メディアでとりあげられた今回の公演の記事を一部ご紹介いたします。

エンタメ特化型情報メディア スパイス
https://spice.eplus.jp/articles/221481

美術手帖
https://bijutsutecho.com/magazine/news/exhibition/18552

毎日新聞(有料記事)https://mainichi.jp/articles/20181213/ddf/012/040/005000c

お客様のお力もお借りして、素敵な舞台になりますように!

高丘親王航海記:原作を読む

「高丘親王航海記」 澁澤龍彦 著
 文藝春秋社 ハードカバー 函付き

なんと美しい装丁なのでしょう!パールとゴールドです!

この装丁の原画は17世紀ドイツの学者アタナシウス・キルヒャーによる「China Monumentis」、中国図説と訳されるようです。アタナシウスは実際には中国には行っておらず、この本は見聞き研究した内容で構成されているため想像と事実がごちゃまぜなのだとか。

一方、高丘親王は9世紀に天竺(インド)を目指して東南アジアの海陸を旅しています。その旅はまったく見たことも聞いたこともない奇想天外な動植物との出会いに彩られどんなにか好奇心を刺激され、またどんなに恐ろしくもあったことでしょう!

本自体も美しい山吹色

澁澤龍彦によって描かれた『高丘親王航海記』にも様々な幻想的な動植物が登場しますが、とある動物の出現に登場人物のひとりが言い放った言葉に私は引っかかりました。

「いや、こればっかりはわたしにもとんとこころあたりがありませぬ。かの山海経にも出ていないような、想像を絶する化けものとしかいいようがない。」

山海経!?持ってますけど?

山海経 平凡社

山海経(せんがいきょう)とは紀元前5~3世紀の間に成立、さらに紀元後3世紀までにわたって編集されてきた中国古代の地理書。いつどういった理由で購入したのかまったく思い出せませんが図録をこよなく愛する私は捨てられずにおりました。

表紙は書中の白黒の挿絵を再構成・彩色したものですが、この生き物たち、こんな風に紹介されています。

朝陽の谷の神、天呉(てんご)。この獣は八つの首で人面、八つの足、八つの尾、みな青黄色。
南海の外(かなた)、赤水の西、流沙の東に獣がいる、左と右に首(かしら)あり、名はちゅってき。

いやはやこれまた奇想天外な生き物ですが、3世紀に郭璞(かくはく)によって付け加えられた山海経の序文からはこんなご意見が。

「荘子が、人間の知るところはその知らないところに及ばないといったが、私は『山海経』でそれが理解できた。」

「物それ自体からみれば異常なのではなく、我見を立てて後に異常となるのであって、異常はまこと我にあって、物それ自体が異常なのではない。」

「天下の賢者でなければ『山海経』の深義をともに語ることはむつかしい。ああ、博学達識の客(ひと)よ、よくよく鑑みられんことを。」

はあ、そうですか、、という部分もありますが、このご意見、私は好きです。

さて、本題の高丘親王航海記、3回も読み返したのですが未だ夢とも現実ともつかぬ物語に惑わされております。しかし夢か現実か。そんなことはどうでもよくなってきました。

 

藤野の魅力が詰まったBIO BOX

昨年のクラウドファンディングで大変お世話になった藤野の皆様が、野菜の定期便を始めるとのこと。

藤野ビオ市/野菜市
https://bio831.com

微力ながら支援させて頂いたところ、藤野の魅力が詰まったBIO BOXが届きましたよ!↑ダンボールを開けたらこんな感じ!混沌としており最初はパニくりましたよ。

落ち着いて取り出し始めます。
上の写真の中だけでも
・葉付き人参
 (人参がセリ科であったことにはたと気付かされる羽状複葉が実に美しい)
・あきたこまち
・ジャスミンライスの種籾
・醤油
・かすっぺ(醤油の搾りかす)
・黒にんにく
・銀杏
・小皿!
・鉱物!!
まで入っております。大興奮です。

他にも
じゃがいも、さつまいも、大根、長芋、粟の穂、くんせいたまご、白菜、ピーチかぶ、サラダハーブ、フェアトレードチョコレート、生姜、りんごチップ、りんご、ゆず、レモングラス、、、
あー楽しい!

頂いたお野菜は以下のように調理されました。一部をご紹介。

サラダハーブ、オリーブオイル、塩
ピーチかぶ、オリーブオイル、昆布塩
人参の葉、かすっぺ、ごま油、七味唐辛子
白菜、油揚げ、出汁、柚子胡椒、すりごま
唐の芋、オリーブオイル、アジョワン、出汁
人参、オリーブオイル、塩、くるみ、コリアンダー、ディル

コウモリフェスティバル 2018 in 三重 その8(ラスト)

第2部 お話し会&コウモリ観察会
コウモリの世界 –吸血鬼なんかじゃないよ
大沢夕志さん(コウモリの会)

第1部のマニアックな講演会を終えて、フェスティバルは第2部お話会とコウモリ観察会に突入です。

お話して下さる大沢さんはご夫婦でコウモリに会いに世界中を旅しておられます。
ブログも情報満載で常々訪問し勉強させて頂いております。お会いできて大変光栄です。

●二人の世界オオコウモリ旅行
https://fruitbat.at.webry.info

●オオコウモリの世界へようこそ
http://www2r.biglobe.ne.jp/~fruitbat/index.htm#mokuji

●どうぶつのくに:コウモリ特集の著者でもあらせられます。
http://www.doubutsu-no-kuni.net/?cat=185

お話会は子供たちも参加して写真満載・クイズ形式で進められました。
いろいろな動物の顔が並ぶ中、コウモリはいくつ?そんなクイズに本気で挑んでおとなの私が間違えるほど、コウモリは謎の存在でありました。

しかしそんな楽しいお話会も、研究者の皆様の熱い講演が長引いたおかげでちょっと急ぎ気味。早々と観察会のチーム分けとチームごとについて下さる先生方の紹介を済ませて講演会場をあとにします。

こちらがバットディテクター!

さて、チームごとに集合して念願のバットディテクターと初対面。
1台お借りして使用方法の説明を聞きます。電源を入れ、キャッチする周波数をコウモリのバズコールを検出できるよう40kHzに合わせると、波長の合わないラジオのようにスーッ・ザーッと雑音がします。コウモリが住み着いていると思われる民家の方向に集音筒を向けてコウモリの出現を待ちます。しかし、この日は風が強く・寒い。。。
コウモリTシャツを見せびらかすためにジャケットのファスナーは閉めずに頑張っておりましたがもう無理です。私も無理でしたがコウモリも寒くて無理だったようで、コウモリが飛び出す逢魔が時を過ぎても一向に姿を現しません。

残念ながら主催者側が解散を決定し参加者が帰り始めたその時、マイディテクターをお持ちだった参加者お一方がバズコールを検出しました!しかしその声の主は姿も見せずあっという間に飛び去った模様。それでも参加者・先生方ともにちょっと幸せな気分になりました。

観察会はこれにて解散。希望者は懇親会に参加可能ですが、私はフェスティバル初参加だったこともあり勝手が分からず申し込みはしておりませんでした。主催者に尋ねたところどうやら「コウモリオークション」はこの懇親会で行われ、各々自慢のコウモリグッズのやりとりがある模様。寒すぎて主催者へのコウモリTシャツアピールも断念してしまいましたが、またの参加をお約束し帰途につきました。

これにて私のコウモリフェスティバル2018参加報告は終了です。

夕飯は地元のスーパーで伊勢うどん
次の日は伊勢神宮にお参りしてきました!

コウモリフェスティバル 2018 in 三重 その7

講演会プログラムのご紹介⑤(ラスト演目)
コウモリの移動生態学
福井大さん(東京大学)

お土産のポスター!

福井さんも佐野さんと同じく「コウモリ識別ハンドブック」の監修者でありお名前をいろいろなところでお見かけいたします。
福井さんはコウモリの移動を調べておられます。

過去にコウモリの移動は個体標識で調べられていました。この手法は標識された点と発見された点2点間を結ぶものであり、おおまかな季節移動を観測することはできましたが、実際に日々コウモリたちがどこでなにをしているかは分かりませんでした。
現在福井さんはラジオテレメトリー=小型の発信機を用いてより詳細な研究を進めておられます。最近では発信機の小型化・省電力化が進み小さなコウモリの研究も可能となりました。さらにGPSの利用などによって広範囲・長距離データの分析も蓄積されており、移動に関する謎「●どこを●どうやって●なぜ」はますます明らかになっていくことでしょう。

ラジオテレメトリーを用いた結果以下の様なことが分かります。

キクガシラコウモリ
1日の移動距離:10~20km、バラバラの餌場へ移動
飛行速度:1~10km/h
飛行高度:0~30m

ヤエヤマコウモリ
1日の移動距離:
成獣:10~30km きまった餌場に集まりがち
亜成獣:25~65km 経験に乏しいため様々な場所を冒険
飛行速度:30km/h

ヤマコウモリ
1日の移動距離:個体によって餌場のばらつきが大きく~70km
飛行速度:25~45km/h
飛行高度:30-200m

集団で行動するように見えるコウモリも行動に個体差・年齢差があることを知り、ますます興味が湧きましたよ。

また、コウモリの移動ナビゲーション戦略は以下のカテゴリーに分けられるそうです。

●Beaconing : 山の頂上などを標識とする
●Route following : 洞窟・森林のふちを移動する
●Path integration: アリなど昆虫にも見られる行動で、移動距離と移動方向をモニターし、これを積算して自分の現在地を知る
●Cognitive map: 経験による記憶地図
●Map & Compass : 渡り鳥のように地磁気を利用

動物学者というのはじっくり実験・観察するだけでなく、動物の行動をこんな風に分類・分析しているのですね!

コウモリフェスティバル 2018 in 三重 その6

講演会プログラムのご紹介④
コウモリの名前
河合久仁子さん(東海大学)

お土産のコウモリ葉書
お土産のコウモリ葉書

河合さんは世界中の研究者とやりとりしながら、コウモリの種の同定を行っておられます。

海外研究者との共同野外調査では「このコウモリの種を何語でなんと呼ぶのか」のやりとりから始まるそうです。
さらに実験室内では海外からタイプ標本を借りての比較を行ったりDNAを用いた実験を行ったり、、、とパワフルにお仕事されている様子が印象的でした。

講演会では河合さんが撮影した数々のコウモリ写真が披露され、
「このコウモリはなんて名前?」とクイズ形式でお話しが進みました。

●キクガシラコウモリ (翼で顔が覆われる)
●コキクガシラコウモリ (顔丸見え)
●アブラコウモリ(腕が赤い)
●ウサギコウモリ(耳長い)
くらいまでは私も判ったのですが、

●モモジロコウモリ(メモによると足が大きい)
●ノレンコウモリ
●ユビナガコウモリ
この3種はまだ頭にはいっておらず???

●テングコウモリ(ふわふわ、銀のさし毛)
●コテングコウモリ(茶色の毛、葉っぱの中で眠る)
こちらは鼻が特徴的ですので判りましたよ!

後半は深い研究内容へ。河合さんはとある種の分類に関して論文発表を控えておられるとのこと。
コウモリの尾膜にパンチ穴を開けてそこからDNAを抽出、そうして比較された遺伝子系統樹の一部も拝見しました。
尾膜の穴は再生するそうですのでご安心あれ。

絵葉書、ひっくり返して眺めるとまた愉快