コウモリフェスティバル 2018 in 三重 その3

講演会プログラムのご紹介②

コウモリの食性を調べる
佐藤顕義さん(有限会社アルマス)

佐藤さんはコウモリの食べ物を調べています。
食べ物を知ることで、生息場所の特定にもつながります。
食べ物を調べる方法には以下のような方法がありますが

 ●胃の内容物
 ●残渣(食べかす)
 ●フンのDNA解析
 ●フンの分析

佐藤さんは中でもフンの分析専門家=昆虫の専門家です。 昆虫のわずかなパーツのみで種を同定するのです!

フンを分析して分かったこととさらなる謎
● 蜘蛛(徘徊性、造網性共に)も食べている!   
 →目視で見つけるのか?
  たまたま蜘蛛の巣に出会ったのか? 
  わざと蜘蛛の巣にアタックしているのか?
● 飛んでいる虫だけでなく、羽化前の幼虫も食べている   
 →エコーロケーションが使いにくいのでは。
  目視や動作音をを頼りに見つけている?
● 大型のヤマコウモリのフンからは鳥の羽まで出てきた。。。
 →鳥も食べている!
  羽毛を顕微鏡下で観察することで鳥種が同定できる。

おまけ:蜘蛛の脚について調べていたら、こんなサイトが!
「脚だけ見れば蜘蛛はとってもかわいい(蜘蛛の脚のみ)」
https://www.boredpanda.com

 

コウモリフェスティバル 2018 in 三重 その2

講演会プログラムのご紹介①

温帯にすむ洞穴性コウモリの生き残り戦術
佐野明さん(三重県総合博物館)

↓佐野さんはこちらの本を監修しておられます。
 表紙はコテングコウモリ。

概要
コウモリは熱帯起源ですが、20科のうち5科が温帯に進出しました。温帯に住むことで冬眠が必要になり、単発情性(1年に1回の発情期)を獲得しました。
さらにねぐらを洞穴とした種では、一年を通して安定した環境であるため、単胎生(1回の妊娠で1匹の子供)であり、低繁殖力ですが寿命が長いという特徴があります。
温帯・洞穴性のコウモリとしての代表格が「キクガシラコウモリ」です。彼らは20g前後と比較的大型のコウモリであり、ヨーロッパ・ユーラシア・日本にかけて広く分布しています。彼らは晩熟で2-3才で初産を迎え、22才を超える生存記録があります。出産保育コロニーを形成し、母親が夕方餌を採りに出かける間、子供達は「おしくらまんじゅう」状態で体温の低下を防ぎます。子育て期間に母親は1時間程で採餌を終え、超音波コミュニケーションにより我が子を認識し、残りの23 時間を子供を温めることに費やします。母コウモリの40%が同じ洞穴に戻り出産をします。安定かつ洗練された生き残り戦術ゆえに新生獣の死亡率は大変低く3.7%にとどまっています。

コウモリフェスティバル 2018 in 三重

念願のコウモリフェスティバルへ行って参りました!
コウモリフェスティバルは今年で第24回、どうやら毎年開催地を変えて続けられているようです。
購入したコウモリ書籍やネット上でお名前をお見かけするコウモリ研究者による発表&バットディテクターを用いたコウモリ観察会もついているとあって、興味が諸々の躊躇を飛び越えました。

さて、新幹線+近鉄を乗り継いで、無事に津駅に到着。徒歩25分でコウモリフェスティバルの「のぼり旗」と共に会場の三重県総合博物館(通称MieMu)が見えてきました。開館5年目だそうです。なかなかかっこいい建物ですよ!

館内はこんな感じ。講演の開始まで展示「コウモリがいっぱい!」を楽しみました。特にコウモリの大きさと重さを再現したヌイグルミが可愛いらしかったのです。見た目の割に軽過ぎです。中身はなんなのだろう?アブラコウモリは5g=1円玉5枚、キティブタバナコウモリにいたっては、2g=1円玉2枚しかないのだそうな!

さて、講演会会場は撮影禁止でしたので写真はこれまで。これ以降の報告は後日、そして想像を超えたマニアックさを含む内容を文字だけで表現することになりそうです。

ウミウシをみにいく

ハナオトメウミウシ 体長3cm位

ウミウシを見に水族館へ。
学生時代に磯の動物を採取、その全てをスケッチするという実習があったが、その際に体長1cmほどの真っ黒なウミウシに出会ったのが興味のはじまり。背中に沢山の繊細な突起を持ち、ゆっくりと動く。その小さな姿が黒ミンクのコートを纏った貴婦人に見えたのだ。
後日「ウミウシガイドブック」を購入。その形態の多様さと色使いに目を奪われた。
しかし海にでかける趣味を持たない私はその後ウミウシに触れる機会を持たなかった。
今回の水族館の企画はまたとない好機であった。

実際ウミウシ展示に設けられたスペースは想像より狭く少々がっかりしたが、落ち着いて考えれば思い出と図鑑とで私の期待がふくらみすぎていたのかもしれない。
水族とはどうしても厚いガラス越しでの対話になり、小さなウミウシたちをよくよく見るのは難しい。小さな水槽の高さが子供のことを考えてなのか下の方に設置されている場合はもう絶望的に体勢がきつい。ゆっくりした不思議な動物なので時間をかけて観察したかったのだが「もっと見たい」が叶わず、体力と気力が消耗される展示であった。
それでも数種類のウミウシを実際に見ることができたことは実に喜ばしい。

シンデレラウミウシ 体長3cm位
ウミウシガイドブック―沖縄・慶良間諸島の海から 小野 篤司 (著)

アマゾンに生息するコウモリの図鑑

コウモリへの興味が高じてとうとう海外から書籍を購入するに至った。
その名も
“FIELD GUIDE TO THE BATS OF THE AMAZON”

アマゾンに生息する160種にわたるコウモリ達の図鑑である。
その分類法は主に形態に基づくのだが体長・翼長・前腕長にはじまり、耳介・耳珠・鼻葉・尾膜、といったコウモリ特有の単語が並ぶ。
歯の並び、体毛1本の根元から先までの毛色変化にまで注目したその詳細な説明は笑ってしまう程あっぱれの研究者魂である。
付録にはコウモリ達のポートレートが並び蒐集癖のある私としては大満足の一冊。

コウモリ関連書籍

コウモリたちのひっこし大計画
谷本雄治著 ポプラ社

「青森県のとある神社に、コウモリの大群がすみついた。「ヒナコウモリ」という日本でもめずらしい、貴重な種類だ。 しかし神社はフンでよごれ、においもちょっときつい。村のみんなが頭をなやませているところに、「コウモリ先生」こと向山満さんが、立ち上がった。「コウモリのむれをひっこしさせよう」新しくたてた専用の小屋にコウモリを移住させようというのだ。世界でもはじめてのこの計画、はたして成功するのだろうか・・・」

目立ちませんが、多くのコウモリたちは夜中ずっと、虫を食べています。生態系のバランス、農業にも大変な寄与をしているのです。ついこの前まで知りませんでしたけどね。

バットボックス、気になります。こんなブログを発見。
http://fanblogs.jp/solemn/category_6/2

こんな短報も発見。
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jjwrs/37/0/37_KJ00009904605/_pdf

コウモリ関係覚え書き

庫本 正 氏(くらもと ただし、1936年 – )
日本の動物学者。秋吉台科学博物館名誉館長。

遠藤 公男 氏(えんどう きみお、1933年– )
日本の作家、動物研究家。岩手県一関市生まれ。

薮内正幸美術館館長:薮内竜太さんのブログ
http://yabuuchi-art.jp/blog/

写真家 中島宏章 氏
http://thesedays.hirofoto.com/

どうぶつのくに
vol.103がコウモリ特集でしたよ。
http://www.doubutsu-no-kuni.net/