ウミウシをみにいく
ウミウシを見に水族館へ。
学生時代に磯の動物を採取、その全てをスケッチするという実習があったが、その際に体長1cmほどの真っ黒なウミウシに出会ったのが興味のはじまり。背中に沢山の繊細な突起を持ち、ゆっくりと動く。その小さな姿が黒ミンクのコートを纏った貴婦人に見えたのだ。
後日「ウミウシガイドブック」を購入。その形態の多様さと色使いに目を奪われた。
しかし海にでかける趣味を持たない私はその後ウミウシに触れる機会を持たなかった。
今回の水族館の企画はまたとない好機であった。
実際ウミウシ展示に設けられたスペースは想像より狭く少々がっかりしたが、落ち着いて考えれば思い出と図鑑とで私の期待がふくらみすぎていたのかもしれない。
水族とはどうしても厚いガラス越しでの対話になり、小さなウミウシたちをよくよく見るのは難しい。小さな水槽の高さが子供のことを考えてなのか下の方に設置されている場合はもう絶望的に体勢がきつい。ゆっくりした不思議な動物なので時間をかけて観察したかったのだが「もっと見たい」が叶わず、体力と気力が消耗される展示であった。
それでも数種類のウミウシを実際に見ることができたことは実に喜ばしい。